【Estácio de Sá】2026「Tata Tancredo: o Papa Negro no terreiro do Estácio」

はじめに

リオのカーニバルに参加のご連絡をいただきありがとうございます。

本記事は、2026年リオのカーニバルに参加される方のみ送らせていただいている限定リンクとなります。

出場チーム、テーマ、歌詞についてご紹介します。

衣装は当日までお伝えできませんが、チームのテーマを事前に知っていただくことで、

チームがどのようなものを表現しようとしているのか。

少しわかっていただけましたらと思います。

ポルトガル語で書かれていたものを翻訳してみましたので、カーニバルに参加される機会に

今年のチームのテーマやブラジル文化に触れてみてください。

歌詞は、難しいですが、覚えられると当日はより楽しくなりますが覚えられなかったら

口パクでも大丈夫ですので、歌っているかのように振る舞ってください。

出場チームについて

Estácio de Sá とは?

  • 正式名:G.R.E.S. Estácio de Sá(Grêmio Recreativo Escola de Samba Estácio de Sá)。

  • 創立:1928年頃に成立した前身を持ち、公式には1955年に設立されたと言われています。

  • 本拠地:リオデジャネイロ中心部のエスタシオ地区(Estácio)。

  • :赤と白(伝統的なカラー)。

Estácio de Sá はリオのサンバ学校の中でも最も古い伝統を持つ学校のひとつで、

その歴史はリオのサンバとカーニバルの発展に深く関わっています。

Estácio はEstácio(地域名)周辺の黒人コミュニティから生まれました。

チームがよく扱うテーマ

宗教・歴史・アイデンティティが多い

過去に扱ったテーマ

  • アフロブラジル宗教(Umbanda / Candomblé)

  • 黒人文化史

  • リオ下町の精神

  • サンバそのものの歴史

主な実績

1992年 Grupo Especial 優勝

リオのカーニバルの1部リーグの優勝もしています。

近年は2部と1部を行き来しています。

テーマについて

チームごとのテーマ、曲、歌詞は、毎年違います。

今年のテーマ

「Tata Tancredo: o Papa Negro no terreiro do Estácio」

(タタ・タンクレード ― エスタシオのテレイロにおける黒い教皇)

1930年代にサンバ界で活躍した「タタ・タンクレード」という人をテーマにしています。

宗教と音楽の力を使ってサンバを世に広めた伝説のリーダー(タタ・タンクレー)。

この人のおかげで、今のサンバチームやカーニバルがあると言っても過言ではないです。

 テーマの主役:タタ・タンクレー(Tancredo Silva)とは?

このテーマの主役である Tancredo Silva(タンクレー・シルバ) は、「Tata Tancredo(タタ・タンクレー)」 または 「Papa Negro(黒い教皇)」 という異名で知られた、サンバとアフロ・ブラジル宗教界の伝説的人物です。

  • サンバの父: 彼はリオのサンバの発展において極めて重要な役割を果たしました。特に1930年代から50年代にかけて、サンバ・エスコーラの組織化に尽力しました。

  • 宗教的指導者: ウムバンダ(Umbanda)というアフリカ系とブラジル独自の精神が融合した宗教の司祭でもあり、サンバとアフロ・ブラジル的な精神性を結びつけた象徴的な存在です。

  • エスタシオとの縁: 彼はエスタシオ・デ・サの源流である「Deixa Falar」というグループとも深い繋がりがありました。

この人がバラバラだったチームをまとめ、サンバ連盟を設立。

今のリオのカーニバルのコンテスト形式を作ったのはこの人です。

ウムバンダ(Umbanda)

ウムバンダは、ブラジルで生まれた「アフリカ系とブラジル独自の精神が融合した宗教」です。

  • ルーツ: アフリカの信仰(オリシャ)をベースに、先住民の精霊崇拝、カトリックの聖人崇拝などが混ざり合っています。

  • サンバとの関係: サンバの打楽器の刻み(リズム)は、もともとこれらの宗教儀式で神を呼ぶための太鼓の音がルーツです。

  • タタ・タンクレーの役割: 彼は「タタ(司祭)」として、この宗教の普及に尽力しました。パレードでは、彼が宗教的な儀式を通じてサンバに「魂」を吹き込む様子が描かれます。

テーマの核:なぜ「Papa Negro(黒い教皇)」なのか?

このタイトルには、彼の権威と、当時のブラジル社会に対する強いメッセージが込められています。

  • 聖と俗の融合: 「Papa Negro」という呼称は、カトリックの影響が強いブラジルにおいて、アフリカ系の精神的指導者がそれと同等の(あるいはそれ以上の)尊敬を集めていたことを示唆しています。

  • テレイロ(Terreiro)の守護者: テレイロとは宗教儀式を行う神聖な場所ですが、タンクレーはそこでの信仰をサンバのパレード(Carnaval)という芸術の形へ昇華させました。

  • アイデンティティの復権: 黒人文化が抑圧されていた時代に、堂々とそのルーツを誇り、エスタシオの地で文化を繋いだ彼の功績を讃えています。

パレードの構成・見どころ

エスタシオは現在「セリエ・オウロ(2部リーグ)」に属していますが、2部の優勝候補の一角です。

要素 演出のポイント
アレゴリア(山車) リオの古い街並みと、ウムバンダの神聖なシンボルが融合した力強いデザイン。
衣装(ファンタジア) アフリカの伝統的な意匠と、1930年代のリオの粋なスタイル(マランドロなど)の組み合わせ。
サンバ・ジ・エンレード 宗教的な儀式を感じさせる太鼓の響きと、エスタシオ特有の「スイング」が効いた楽曲。

歌詞

本番ではこの曲が何回も繰り返します。

口ずさめるようになっているとより、参加を楽しめると思います。

このビデオには、テーマのイメージしている部分もあるため、

この曲がどのような背景で、どのような思いで作られたのかわかるかと思います。

ポルトガル語

Macumba é macumba, canjerê, mojubá
Macumba é macumba, firma ponto no gongá
Kolofé, saravá Omolokô
No terreiro de Tancredo a Estácio incorporou

Óh, Tata!
Traz a guia de miçanga
Pra quem é da nossa banda a demanda enfrentar
Óh, Tata!
Salve a linha de umbanda e a bandeira de Oxalá
Naquele tempo de malandro e meganha
Eu usei lata de banha pra fazer o instrumento
Ensinamento pro São Carlos que subia
A ladeira todo dia encarando o regimento

Tancredo o bastião e testemunha
O primeiro fundamento da curimba e da mumunha

Atabaques no terreiro, na porteira o guardião
Uma vela no cruzeiro, duas velas pro leão
Chegou “General da Banda”, azeitado no dendê
Na canjira galo canta, Cantagalo eu quero ver

Vai, nas ondas do mar
Yemanjá ganhar presentes de fé
Todo povo da cidade num só canto
Contra o quebranto firma no batuquejé
Ao Papa Negro, mandingueiro, de arerê
Quem é de santo, veste branco e vai dizer

Coisa de acender, pemba de riscar
Folha e feitiço pra cura
Coisa de acender, pemba de riscar
Banho de folha e feitiço pra curar

日本語訳

マクンバはマクンバ、魂の集い、あなたに敬意を(モジュバ) マクンバはマクンバ、祭壇に聖なる印を刻め 祝福を、そして挨拶を、オモロコ(宗教の流派)に タンクレーの聖域(テレイロ)で、エスタシオの魂が神降ろしをした

おお、タタ(父よ)! ビーズの数珠(ギア)を持ってきてくれ 我らと同じ志を持つ者が、困難(デマンダ)に立ち向かえるように おお、タタ! ウムバンダの系譜と、オシャラー(最高神)の旗に祝福を

あの、ならず者(マランドロ)と警官(メガニャ)がいた時代 俺はラードの空き缶を使って楽器を作った (丘の上の)サン・カルロス地区への教え 毎日、軍隊の監視に立ち向かいながら坂を登った

タンクレーこそが守護者であり、生き証人 太鼓(クリンバ)と秘術(ムムニャ)の最初の教え 聖域にはアタバキの太鼓、門には守護神(エシュ) 十字路に一本の蝋燭を、ライオン(エスタシオの象徴)に二本の蝋燭を

「バンドの将軍」がやってきた、デンデ油で清められて 儀式の場で雄鶏が鳴く、カンタガロ(地区名)の力を見せてくれ ゆけ、海の波に乗って イエマンジャー(海の女神)が信仰の贈り物を受け取る 街中の人々がひとつの歌になり 呪いを払うため、バトゥーキのリズムを刻む

黒き教皇、熱狂を操る呪術師へ 聖なる魂(サント)を信じる者は、白装束を纏いこう言うだろう 「火を灯し、聖なるチョーク(ペンバ)で印を描け 薬草の風呂と呪文で、癒やしをもたらすのだ」 「火を灯し、聖なるチョークで印を描け 薬草の風呂と呪文で、癒やすために」

歌詞を理解するためのキーワード解説

  • Macumba(マクンバ): もともとは楽器の名で、アフロ・ブラジル宗教全般を指す言葉。かつては差別的な意味もありましたが、ここでは自分たちのアイデンティティとして誇らしげに使われています。

  • Lata de banha(ラードの缶): 昔、貧しいサンビスタたちは楽器を買う金がなく、ラードの空き缶を加工してタンボリンなどの打楽器を作っていました。エスタシオの「工夫と抵抗」の歴史です。

  • Malandro e Meganha(ならず者と警官): サンバが犯罪とされていた時代、サンビスタ(マランドロ)と取り締まる警察(メガニャ)の激しい対立があったことを示しています。

  • Dendê(デンデ油): アフロ・ブラジル料理や宗教儀式に欠かせない赤いパーム油。エネルギーの象徴です。

  • Pemba(ペンバ): 宗教儀式で地面に魔法の図形(ポント)を描くために使われる聖なるチョーク。

  • Leão(ライオン): エスタシオ・デ・サというエスコーラのシンボルマークはライオンです。

まとめ

今回のカーニバル参加の皆様へ向けて

参加チームの詳細、今年のテーマと歌についてまとめました。

リオのカーニバル参加は、皆さんにとってはおそらく一生に一度の機会だと思いますので、

最高に楽しんでいただけたら幸いです。